秘密保護法の影で成立!扶養義務を強化した『改正生活保護法』

2013年12月、特定秘密保護法案で与野党の攻防が続く中、ある法案の採決が行われました。

与党の賛成多数で可決されたのは生活保護に関する法律で、少し前に世間をにぎわせた『不正受給問題』に対する批判を受けての改正でした。

ここでは、生活保護費の詳細をお伝えしつつ、法改正でどう変わったかについてご紹介します。


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健康で文化的な最低限度の生活を営むための、8種類の扶助

生活保護とは、生活保護法によって規定されている日本の制度です。

具体的には、国や自治体が経済的に困窮する国民に対して、健康で文化的な最低限度の生活を保障するための保護費を支給します。

生活保護法は1950年5月4日に施行された法律であり、『社会福祉六法』の1つとして数えられます。

そして、生活保護は8種類に分類されます。少し長くなりますが、すべて挙げていきたいと思います。

1・
生活扶助:生活困窮者が衣食やその他日常生活の需要を満たすための扶助で、飲食物費や光熱水費、移送費などが支給されます。

『基準生活費(第1類・第2類)』と『各種加算』に分けられています。
第1類は飲食や衣服、娯楽費などの費用で、第2類は世帯として消費する光熱費などとされています。

また、各種加算は特別需要に対応するもので、障害者加算や母子加算などがあります。

2・
教育扶助:生活に困窮する家庭の児童が、義務教育を受けるために必要な扶助であり、教育費の需要の実態に基づいて原則的に金銭による支給が行われます。

3・
住宅扶助:生活困窮者が家賃や地代、補修費などを払う必要があるときに行われる扶助で、上限はありますが金銭によって実費が支給されます。

4・
医療扶助(公費負担医療):生活困窮者が怪我や病気をした際、医療を受けるために行われる扶助であり、原則として現物支給(投薬や処置などの直接給付)により行われ、その治療内容は国民健康保険と同等とされています。

また、医療扶助は生活保護指定医療機関に委託して行われますが、場合によっては指定外の医療機関で給付を受けられます。

ただし、予防接種など、対象外のものもあります。

5・
介護扶助:『要介護』や『要支援』と認定された生活困窮者に対して行われる給付であり、医療扶助と同様に、原則として生活保護法指定介護機関による現物支給が行われます。

介護保険とほぼ同等の給付が保障されているものの、施設によっては利用料の面(住宅扶助として支給)から制限があります。

6・
出産扶助:生活困窮者が出産するときに行われる給付であり、原則として金銭が支給されます。

児童福祉法で定められた入院助産制度を優先適用するため、自宅出産などの特殊なケース以外は適用されません。

7・
生業扶助:生業に必要な資金、器具や資材の購入費や技能を修得するための費用が必要なときに行われ、原則として金銭により給付されます。

8・
葬祭扶助:生活困窮者が葬祭を行う必要があるときに行われ、原則として金銭により給付されます。


今まで、生活保護における8つの扶助についてお伝えしてきました。

これらの扶助は、要保護者の年齢や性別、健康状態などを考慮し、1つあるいは2つ以上行われます。


地域でも給付に違い!現在は6つに区分されている『級地制度』

生活保護は年齢や性別によって色々な種類があるとお伝えしました。

この他にも、地域によって給付に差があります。生活保護の基準は厚生労働大臣が定める『級地区分表』によって、市町村単位で6段階に分けられています。

これは、地域の生活様式や物価などを考慮して定められていて、冬期加算の基準にのみ使用される5段階の区分というものも設けられています。

生活保護法が成立して以来、地域格差を是正するために人口の規模や消費実態、慣行などを考慮してきました。

3つに分けたり5つに分けたりなど、2005年までに7回も級地の区分の見直しがされています。しかし、東京都などでは地域内での家賃格差が大きく、実情にあまり合ってはいません。

現行では級地の区分は『1級地-1』、『1級地-2』、『2級地-1』、『2級地-2』、『3級地-1』、『3級地-2』となっています。

『1級地-1』には東京都の特別区や神奈川県横浜市、愛知県名古屋市などの大都市が入っています。
また、『3級地-2』と区分される市町村は、級地の半数以上を占めています。

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不正受給を阻止!本当に必要な人に行き渡らない危険性も…

2013年12月6日、特定秘密保護法の影で『改正生活保護法』が可決されました。

1950年に同法が施行されて以来、初めての本格的な改正になります。

人気お笑いタレントの親族が生活保護費を不正に受給していたというニュースは記憶に新しいと思いますが、不正受給に対する一連の批判を受け、

罰金の引き上げや就労実態・経済状況に関する調査を福祉事務所がより強い権限で行えるよう見直しがされました。

また、この改正によって新たに設けられたのが『給付金』です。これは、受給者が働いた収入の一部を積み立て、生活保護の終了とともに支給することで、保護脱却をすすめようとする狙いがあります。

しかし、今回の改正には批判の声が強いことも事実です。

まず、特定秘密保護法を巡って与野党の攻防が続いていたことから、この問題に関して議論が不十分だという指摘があります。

また、保護の申請をしても受理を拒否され、生活保護の受給を阻止される『水際作戦』が一部の自治体などで行われ、問題となりました。

しかし、法律の改正によりこの『水際作戦』が合法化されてしまったのです。

最近では大阪で31歳の女性が餓死してしまう事件も起きました。

その一方で、資産や裕福な親類の存在を隠して不正受給をしたり、保護費でギャンブルに興じたりする人もいます。

本当に保護が必要な人に生活保護が行き渡るよう、さらに議論されることが望まれています。



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