心臓病の原因?身近な油に潜む『トランス脂肪酸』

ショートニングやマーガリンには、トランス脂肪酸という人工的な油が含まれています。

ファーストフードの揚げ物やケーキなどに含まれている『トランス脂肪酸』。

健康に影響を及ぼす危険があり、アメリカでは規制されています。日本とアメリカでの事情の違いについて比較していきたいと思います!


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人工的な硬化油に多く含まれる、トランス脂肪酸

トランス脂肪酸は分子中に『トランス型』と呼ばれる直線状の構造を持っていて、水素を付加して人工的に硬化油を作る過程で発生します。そのため、天然の植物油についてはほとんど含まれないものの、マーガリンやファットスプレッド、ショートニングなどに多く含まれています。
ショートニングは食感改善効果が高いため、ファーストフード店の揚げ物やスナック菓子、ケーキなどに使われています。



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一定量を摂取した場合、LDL(悪玉)コレステロールを増加させ、心臓疾患のリスクを高めると言われています。また、認知機能の低下や不妊症のリスクが高まるとも言われています。そのため、2003年以降にこれを含む製品を規制する国も増加しています。


訴訟から議論が活発に!アメリカのケース

アメリカ合衆国では、2003年5月にスナック菓子製造を行う会社に対して、トランス脂肪酸を使わないように求める訴訟が起こされました。これによってアメリカ国内で議論が活発になり、同年7月にアメリカ食品医薬品局(FDA)が新しい栄養ラベルの規定を発表しました。

1食あたり0.5g以上のトランス脂肪酸を含む加工食品や、一部の栄養補助食品に対して表示することを2006年から義務づけました。

同時期にニューヨーク市においてもトランス脂肪酸の使用規制が決定し、違反した場合は最高2000ドルの罰金が科せられるようになりました。

2008年ではカリフォルニアで初めて州レベルでの使用禁止を決定しました。そして2013年11月7日には、FDAはトランス脂肪酸の使用を全面的に禁止する方針を固めました。

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日本では?トランス脂肪酸の扱い

日本においては諸外国と比較して食生活におけるトランス脂肪酸の平均摂取量が少ないと言われていて、健康への影響は少ないのではないかと言われています。

ただし、これは日本人として平均的な食生活をしている場合に当てはまることなので、食の嗜好の多様化により、トランス脂肪酸を摂取しすぎてしまう人の存在も懸念されています。

規制についてはアメリカとは異なり、ごく一部の企業が低減に取り組んでいるといった程度で、政府や業界団体は特に行ってはいません。たとえば、pascoでは2006年からパンや菓子に使用する油脂をトランス脂肪酸の含有量が少ないものに切り替え、ケンタッキーフライドチキンやミスタードーナツも揚げ油を切り替えています。

私も、マーガリンを買う際はトランス脂肪酸が低減されているタイプを買うようにしていて、偏った食生活をしないように気をつけています。


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