心の病 クレプトマニア

クレプトマニアという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
あまり聞きなれない言葉なので、ご存知ない読者も多いことでしょう。

クレプトマニアは、窃盗症と呼ばれるもので、衝動的に窃盗を繰り返してしまう心の病の一種です。

最近ニュースで報じられている、生活にも困っていない人がスーパーやコンビニで万引きしてしまうようなケースも一種のクレプトマニアといえ、そのような病気の特徴を記された書籍も出版されています。


kureputomania

彼女たちはなぜ万引きがやめられないのか? 窃盗癖という病



つまり、クレプトマニアとは、金銭的に余裕がない状況ではなく、自分でお金を払って普通に購入できるようなものでも、自分の窃盗の衝動を抑えきれずについ盗みを働いてしまうことなのです。

やっている本人は、窃盗という行為に楽しみを感じてしまっているので、決して盗んだものにこだわりがあるわけではありません。

ですから盗んだ商品を使わずに捨ててしまったり、人にあげてしまうなど自分でその商品を使わないことも多いようです。人によっては、後に現場にさりげなく返却したりや盗んですぐに近くのゴミ箱に捨てるケースもあるようです。



周囲の人の気づきとケアが重要

クレプトマニアは、万引き全体の5%程といわれ、全体の割合からいえばまだ稀な症例だといえるかもしれませんが、治療は可能です。

まず自分の周りにこのような症状が人が見られる場合には、周囲の人がなるべく早くクレプトマニアかもしれないと気づいてあげる必要があります。

精神疾患との関係がある場合もあるので、出来るだけ早く専門医を受診して、治療法を相談することが大切です。犯罪と関係することから弁護士などの法律関係者を巻き込んだケアが重要でしょう。

原因は心の病であるので、うつ病などとの関連が考えられますが、中でも過食症や拒食症などといった摂食障害を併発していることが多いようです。

クレプトマニアの治療にはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などの薬物の投与や認知行動療法などが行われるようです。

認知行動療法では、盗もうと思うえば、痛みや吐き気といった不快な感覚が呼び起こされるように、本人を訓練し、いざ、お店で、物を取りたい衝動が起きても、これらの不快な感覚が呼び覚まされて、盗みを思いとどめよう本人の心理に訴えかける治療を行います。

けれども、その治療には長い時間がかかるために、家族や周囲の人の支えをかりて、根気よく治療をしていかなくてはいけません。また周囲に相談などの援助ができる人がいないような場合は、同じような悩みをもつ者同士が助け合う「自助グループ」の活用も有効でしょう。




摂食障害とクレプトマニア(スーパーニュース特報FNN)






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